爽快なカナディアンロッキー (2010/8/8:2日目)

2日目のケンモアからアシニボインまでの移動とアシニボインのショートトレッキングの様子です。
今回の旅のメインイベントはアシニボイン・ロッジへの宿泊でした。ここはカナディアンロッキーのロッジとしてはとっても有名なところです。でも、とっても小さなロッジで、30人くらいしか泊れません。また、単純に早い者勝ちでなく、前年の一定期間予約を受け付けて、それからオーナーが宿泊者を決めるという方式です。なのでリピーター率が高く一見さんには、ちょっと敷居が高いです。でも、なぜか今回、サマーバケーションの真っ盛りに予約が取れました。お盆なので、他にも日本人がいると予測していったのですが、いませんでした。戻る時の交代要員にも日本人はいませんでした。
予約を入れるのも大変ですが、ヘリ代を含めた宿泊代も高く、3泊4日で1146.6カナダドルです。円高とは言え、かなり厳しい金額です。そう言った意味でも敷居が高いです。

また、来年は改装するようでお休みになるようです。なので、今回宿泊したロッジ棟は、今年が最後になりました。

ケンモアの町から見えるスリーシスターズのモルゲンロードです。とても大きくてカッコいい山が近くに見えます。
この日はマウントシャークのヘリポートに11時に行けば良かったので、宿でのんびりできました。そのヘリポートまでは、未舗装路を40Kmほど走りますが、フラットなダートで、かつ車がジープ・コマンダーなので、めずらしく時間に余裕がありました。

ケンモアの町の東側にはボウ川の支流が流れていて、そこに遊歩道が整備されています。
真夏の昼間に歩くと蚊に襲撃されそうですが、この時は蚊が動けないほど寒かったです。
この後、7時から受付のロビーで朝食ということだったのですが、7時を回っても係りの人が現れる気配がなく、なかなか開きませんでした。結局、8時近くになってやっと開きました。部屋代が安かったのであまり期待していませんでしたが、パンとシリアルと飲み物だけと言うとてもシンプルなものでした。でも、そこに置いてあった電子レンジは自由に使うことができたので、パックのごはんが暖められ、お昼ごはんのおにぎりを作ることができました。出発は遅くなってしまいましたが、予定に余裕があったので特に問題はありませんでした。

ケンモアからマウントシャークのヘリポートまでの道ですが距離は45Kmくらいで、最初を除き未舗装路です。未舗装路の最初の5Kmは道路工事中で、少し大きめの石が所々地面から頭を出している様な荒れた道ですが、そこを過ぎるとフラットな幅の広いターマックが続きます。なんとこの道の制限速度は80Kmです。セダンでもこういう道に慣れていれば、60Kmくらいで走れると思います。ジープ・コマンダーだと余裕で80Kmで走れました。
でも、ペース良く走ったためか、この道で良く目にするという野生動物を見ることが出来ませんでした。また、早く着きすぎてしまいました。
なので、歩きで上がる場合のトレイルヘッドまで行ってみました。

そのトレイルヘッドにある看板です。
全面に渡り熊注意です。ほんと、歩いて上がろうとしなくて良かったです。
今回、色々な看板を見ると一瞬、???となってしまいました。最初の文は、なんとなく読めるのですが、次に読めない文がでてくるのです。やはり、ここはカナダです。英語とフランス語が併記されています。でも、片方しか書いてない場合は、英語でした。元々、英語を完全に読める訳ではないので、読めないのか、フランス語なのか戸惑うことがありました。
ここのトレイルヘッドにも広い駐車場があります。ここには、ベアボックスはないので、オーバーナイトで使う場合は、車の中に食べ物を残さない等の注意が必要ですね。ベアー・ボックスとは、熊を入れるわけではなく、フードストレージボックスとも言って熊が車を壊して食べ物を漁らないように、食料を入れて置く丈夫な金属の蓋のついた棚です。
実はヘリポートの駐車場に、熊避けの丈夫なゴミ箱があるのですが、入口に数ミリ凹んだ斜めの傷が付いてました。熊の爪あとです。あれ、3mmくらいの鉄板でできていて、あれだけ凹むのであれば、車なんてイチコロだというのがよく判りました。ゴミ箱の写真撮ってくれば良かったです。でもって、駐車場にもベアボックスがありませんでした。なので、最初は車を他の車と離れた端の方に止めたのですが、匂いのする色々な物が積んであるので、他の車と纏まった真ん中の方に移動しました。

トレイルのスタートにいきなり熊注意の看板があります。
後で聞いたのですが、このアシニボインまでのコースには、つい最近、熊が出たそうです。

マウント・シャークのヘリポートです。
小雨がチラつき、天気はあまり良くありませんでした。ここらヘリに乗ってアシニボインロッジまで行きます。

ヘリは何往復もしてアシニボイン・ロッジの宿泊客とかスタッフを運びます。
一度に運べるのは、6名+荷物です。ロッジの宿泊者だけでなく、キャンパーやキャンパーの荷物だけとかも運びます。

アシニボインロッジまでの飛行の様子です。
天気は良くなかったのですが、風がなかったので飛行は安定してました。マーブル・レイクを左手に見ながら、アシニボイン・パスを超えていきます。アシニボイン・ロッジはレイク・メゴック東岸近くにあり、盆地の底の方にあり四方を山に囲まれてます。

アシニボイン・ロッジの食堂棟です。
ここので朝食と夕食を食べます。食事の時間になると屋根のうえに見えている鐘が鳴らされます。

アシニボイン・ロッジの宿泊棟です。
今回は、ここに宿泊しました。建物の中に共同の温水シャワーと水洗トイレがあります。洗面台にもお湯が出ます。2階が宿泊施設で、1階は広いラウンジになっていて、午後にお茶とおやつが提供されます。この宿泊棟以外にキャビンが近くに点在してます。

部屋の中の様子です。
決して広くはありませんが、普通サイズのシングルベットと荷物置き場の棚とか服を掛けるハンガーは十分にあり不自由はありません。バスタオルを含めタオルも提供されます。

部屋の中を通っている煙突に書かれた絵です。
1階はラウンジになっていて、部屋の端に暖炉があります。その暖炉の煙突が部屋を突き抜けています。ラウンジの暖炉は1997年に設置されたということでしょうか。

部屋の窓からの眺めです。
レイクビューではありませんが、ナブピークが見えます。

表から見た部屋の様子です。
左側が泊っていた部屋です。階段は非常口です。

アシニボイン・ロッジの前には広場があります。
この広場には、沢山のジリスが住んでます。警戒してピーと鳴くのですが、とっても気まぐれで近くに来ても鳴かないときもあれば、はるか彼方にいるのに鳴く時もあります。

この日は部屋に荷物を置いた後、午後からレイク・メゴックの近くを散歩してきました。

ロッジからレイク・メゴックに行く途中に段差があり、そこからレイク・メゴックとマウント・アシニボインが見渡せます。
また、降りる手前の右側の小さな高みは見晴台になっていてベンチが置いてあります。
残念ながらマウント・アシニボインの上のほうは雲の中です。

段差を降りたところから見たレイク・メゴックとマウント・アシニボインです。
レイク・メゴックはカールの底にあり、周りの湖から溢れた水がここに集りますが、ここから流れ出る川はありません。

レイク・メゴック湖畔からのパノラマなどこの日のトレッキングの様子です。

レイク・メゴックのそばのキャンプ場にあった案内板です。
かなり広い範囲に沢山のキャンプサイトがあります。またこの掲示板には、「ここにはクマがいます」、「4人以上で行動しなさい」、「クマ避けスプレーを携帯しなさい」、「クマが示すサインを見逃すな」等のクマに対しての注意がしっかり書かれてます。ブログ等にも、ここでクマに出会ったというのがちょくちょく出てました。

レイク・メゴックのロッジとの反対側の端の方から見たマウント・アシニボインです。
反対側も、湖畔の周りは段差があります。その段差の上からの写真を撮りました。

湖畔まで降りてみました。
ここの上り口には、大き目のイヌクシュックがありました。遠くから見たとき、人がいるように見えました。イヌクシュックは、狩の時、動物を追い込むのに案山子のように使ったとも言われているのですがそれがなんとなく理解できました。

サンバースト・レイクです。
レイク・メゴックの一つ奥にある湖です。ここからの帰り道の両側が見事なお花畑でした。例年であれば、花の季節は終わってしまっているはずだったのですが、今年は雪解けが遅れ、花の季節も遅れて、今が満開になっているようでラッキーでした。

この日のハンディGPSのTrackです。
6Kmくらい歩いてます。ほぼフラットなんですが、湖畔に下りるときは20m位の上り下りがあります。

最後に雨に追われました。
トレッキングの最後の方にポツポツと雨が降ってきました。ロッジについて後ろを振り返ると雨のカーテンが迫ってきてました。ロッジに着くと同時に大雨になりました。でも、しばらくすると止み、夜は晴れて星が見えてました。

新鮮で材料の種類も豊富なサラダです。
ここ、ヘリと徒歩しか交通手段のない不便な場所なのですが、食事は普通の街中のホテルと変りません。サラダ、スープ、複数のサイドの付いたメインディッシュ、デザートが出ます。決して豪華ではありませんが、美味しくってオシャレです。でも、アラカルトを選んだりはできないので、好き嫌いが激しかったりすると辛いかも知れません。この日のメインはサーモンでした。

ロッジの近くにエルクが来ました。
サマータイムで高緯度なので夜はいつまでも明るいです。なので、食後もロッジ近くを散策できます。

エルクのアップです。
かなり近づいても逃げません。角の跡がなかったです。小さかったので、まだ子供だと思います。この辺りに、美味しそうな草が沢山生えているので、食べに来たのではないでしょうか。